令和7年度補正予算案に盛り込まれた「介護分野への緊急支援パッケージ」
ニュースでは前向きに報じられていますが、私の職場ではその事すら知らない支援員ばかりでした。
待遇改善・人材確保はいつも急務
人が足りない!
給料が上がらない!
物価だけが上がっていく!
これは特別な事業所の話ではありません。
多くの現場で、静かに、しかし確実に起きている現実です。
本来であれば、こうした課題は
数年に一度の「報酬改定」で調整されます。
けれど今回は、国もはっきりと認めました。
「報酬改定を待っていたら、現場がもたない」
そこで出てきたのが、
この緊急支援パッケージです。
処遇改善加算との決定的な違い
令和7年度補正予算の「介護分野への緊急支援パッケージ」は、介護職員の賃上げを目的とした期間限定の支援策です。
事業所への補助という形で、職員1人あたり月1万円程度の賃上げ相当額が基本となり、生産性向上や職場環境改善の取組を行うことで、最大月約1.9万円相当まで上乗せされる可能性があります。
対象期間は令和7年12月から令和8年5月までの約6か月間で、恒久的な処遇改善加算とは異なる一時的措置です。
ここで多くの人が混乱します。
「処遇改善加算と、何が違うの?」
「期間中は 19,000円給与が増えるの?」
結論から言えば、こうです。
- 処遇改善加算
→ いつもの制度。恒常的だが、縛りが強い - 緊急支援パッケージ
→ 今だけの応急処置。スピードと柔軟性重視。金額は凡そ額である為実際は不明
処遇改善加算は、キャリアパス、配分ルール、実績報告など制度としては整っています。
ただ、現場ではこう感じてきました。
「制度は正しい。でも、現実に合っていない」
特に、非常勤職員への配分のしにくさは、多くの管理者が抱えてきた悩みです。

非常勤にも、ちゃんと回るのか?
今回の緊急支援パッケージで
一番注目すべき点は、ここだと思います。
制度上は、非常勤にも回せる設計です。
- 時給アップ
- 手当支給
- 勤務実績に応じた配分
処遇改善加算よりも、はるかに現場の裁量が大きい。
実際の補助額は示されていませんが、おそらくは直近のある期間の報酬額に支給率を乗算する方法だと思います。
一時金として全職員に配分しやすい方法です。
これは、「非常勤がいなければ現場が回らない」という事実を、国も無視できなくなった証拠でしょう。
ただし、忘れてはいけないことがあります。
制度がそうなっていても、自動的に非常勤に回るわけではない
結局のところ・・・
最終的にどう配分するかは、事業所の判断に委ねられています。
現役施設長としての感想
臨時の補助金は非常勤も含めた全支援員に配分すれば良くないか
一時的な支援ですので、給与支給項目を設定すればよいだけ。
介護現場の賃上げ支援が打ち出されるたび、私は期待よりも先にため息が出てしまいます。
理由は単純で、そのお金が非常勤職員まで届いていない現実を、何度も目の当たりにしてきたからです。
現場を冷静に見れば、日々の支援の多くを非常勤職員が担っています。
利用者が安心して過ごせている時間の裏側には、複数の非常勤職員が勤務するシフトの積み重ねがあります。
それでも賃上げの話になると、まるで“戦力外”のように扱われてしまう。
その判断を下す管理者の姿を見るたび、同じ管理職として胸が痛みます。
制度の制約は確かにあります。
しかし「非常勤には回せない」という結論を最初から決めてしまうのは、管理ではなく思考停止です。
配分の工夫や説明の努力を放棄した結果、現場の信頼が静かに削られていることに、もっと敏感であるべきだと思います。
賃金は金額以上に、「あなたをどう見ているか」を映す鏡なのです。
おわりに
配分方法が定められているようでブラックボックス化している処遇改善加算だけでは、業界人件費改善も限界が見えています。
この支援が、単なる一時しのぎで終わるのか。
それとも、次の制度につながる一歩になるのか。
次回の報酬改定で人件費補助が理由の単価アップがあったとしても・・・
結局は賃金規定を定める法人や事業所がどう変わるかにかかってくるのでは?と思います。


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